龍峰は名を瀧蔵と云い、兵庫は明石の人

明治八年に生まれ、幼い頃よりやきものに興味を覚え十五の時、近所にあった松陰新田焼の寺岡源次郎の許へ

粘土をこねたり、ロクロをまわしたり、此処で一人前の陶器職人になり、暫くして諸国の窯や、やきものを研究するため、長い旅に出かける

まず京都へ行き、渡り職人として京焼の窯元を訪ねまわり、造りやうわぐすりを学び、或いは三重の万古焼の窯へ、そして明石に戻り、朝霧焼の戸田秋嶺の許へ、やがて松陰新田へ帰り師匠の寺岡窯を助けようとしたが、再起とはならず・・・

大正の初めころ、備前の伊部に来て金重利吉の窯で仕事をし、大正九年に窯元として独立し、号を龍峰とした

初代 ( 瀧蔵)

明治8年  明石に生まれる

明治23年  松陰新田焼の陶芸師・寺岡源次郎の許で修行

明治32年頃 渡り職人として京都の窯元や三重の万古焼の窯で陶技を学び朝霧

 焼の戸田秋嶺の許で修業する

大正 3年 伊部に移住し金重利吉の許で従事する

大正 9年 石炭青の窯を築き窯元として独立、号を龍峰とする

昭和 2年 登り窯を築く

初代龍峰は石炭青の窯を築き試行錯誤の末、150年ほど途絶えていた青(石

炭青)を復古させる。ロクロ物に長じ伊部の元老として円熟の陶技と貫録を示す

昭和 28年 歿 享年 79才

昭和32年 NHKラジオドラマ ~郷土史を飾る人々~ 藤田龍峰 第127回